現役介護士が教える3つの認知症判断ポイント

私は介護施設で仕事をしています。

今回は認知症なのかどうか判断を行うときのポイントについてお話ししようと思います。

ポイントは3つです。

  1. 物忘れは体験そのものを忘れる。
  2. 場所や時間、人がわからなくなる。
  3. 家事ができなくなる。

認知症判断ポイント①;物忘れは体験そのものを忘れる。

認知症の方は体験そのものを忘れてしまう特徴があります。どう言うことかというとよくテレビとかで

おじいちゃんA「たえさんやわしゃまだご飯を食べてないと思うんじゃが・・・?」

たえさん「おじいちゃんさっきもうご飯食べたでしょ。」

おじいちゃんA「いや食べておらんって言うとるじゃろがい。」

みたいな会話を聞いたことがあるかと思います。おじいちゃんは食べたと言う行為そのものの体験を忘れてしまっているので食べていないと言っているのです。

この体験に関する記憶のことをエピソード記憶と言うのですが、人が一番忘れにくいとされている記憶なのです。

このエピソード記憶は認知症でないなら内容は忘れる事があっても行為自体は覚えている物です。

認知症かそうでないかはここを判断基準にすることができます。

認知症判断ポイント②;場所や時間、人がわからなくなる。

認知症の方は見当識障害が現れます。

見当識障害とは「いつ(時間)」「どこ(場所)」「誰(人)」が分からなくなる状態のことを言います。

症状が軽いうちは「今がいつなのか?(時間や時期)」症状が進むと「ここがどこなのか?(帰り道が分からなくなる)」更に症状が進み重度になると「この人は誰なのか(身内の顔がわからなくなる)」この順番で分からなくなってくる事がわかっています。

なので、時間や季節がわからなくなっていた場合認知症の初期症状なのではないか?と疑ってみる必要があります。

認証判断ポイント③;家事ができなくなる。

代表的な例で言えば「料理ができなくなってきた。」があります。

料理は計画的に多くの物事を平衡的に行う高度な作業になります。これができなくなることを実行機能障害と言います。

他にも同じ商品を毎回買ってきてしまったり、買い物で頼んでいたものとは違うものを買ってきてしまったりしてしまいます。

まとめ

認知症の人は自分が体験した行為そのものを忘れてしまい、場所や時間、誰なのか忘れてしまいます。また、物事を順序立てて計画することができなくなってしまうため料理や洗濯、家事全般ができなくなってしまう事が分かったかと思います。

もし3つに当てはまり認知症だと言うことが分かったとすると身内であればあるほど治したいと言う気持ちが強く出てしまうと思います。

ですが、認知症は治すことのできない物であると言うことを理解していただきたいと思います。

無理に治そうとしてその人にできない事をさせるよりもできる事に目を向けてあげることの方が大切です。

また、できなくなり一番辛いのはその人自身である事をまずは理解してあげることが大切だと思います。できない事を受け入れ「大丈夫だよ」と言う安心感を与えてあげて欲しいと思います。

相手の気持ちを安心させることが認知症の周辺症状を抑える役割も担うためその人自身を受け入れる努力を周りがする事が一番大切だと思います。

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